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【ショートショート】絵空事【超短編】



絵空事



どう生きていけばいいのだろうか。迷いが四六時中頭の中を駆けめぐっている。皆が同じ条件であるならば何も迷うことなどない。少なくとも私は、同じ条件から斜め下の方に外れていて、更に人に言えないような極度の緊張症というパーソナルな問題がある。

絵空事
絵空事

緊張をする。誰よりも。
不安になる。誰よりも。
そして手が震える。誰よりも。
時に身体も震える。誰よりも。


そうなってしまったのはいつからだろうか。社会生活に支障が出だしたのはいつからだろうか。心療内科に通い処方薬を飲みだしたのはいつからだろうか。出来る限りの最大限の対策をしても誰よりも緊張をする。これ以上どうすればいいのだろうか。積極的に行動をしたいという意志とそれについていけない身体。


生き方に迷い震える。
時に馬鹿にされる。
また時に蔑まれる。
その度に苦悩と葛藤を抱く。


揺れる文字。
昨日も書類に書く文字がまた揺れた。
ゆらゆらと。
だけど、何もなければ皆と同じ条件で何事もなく普通でありたいと誰よりも思っている。ほんの少しでいい、1日の内の5分だけでいい。


よく言われる自己肯定感を上げる。という言葉。
普通の人なら意味がある事なのかもしれない。だけど私の場合にはほぼ意味ない。おそらく遺伝という側面+α。脳から出る指令の時点で既に震えている。そこをブロックする頓服薬などでなんとか実生活・社会生活を送っている。ギリギリで生きてきた。誰よりも治したいと強く思っている。


揺れる文字。
今日も書類に書く文字がまた揺れた。
ゆらゆらとゆれる蝋燭の炎のように。
どう生きていけばいいのだろうか。
迷ヒ震エル。

空の間
空の間



【ショートショート】絵空事【超短編】
※ この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。








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